Deliver to Tunisia
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夢**人
「7 Years」から一段と成熟。ひたむきさと情感あふれる歌声に心打たれる。
亡き父への思いを込め,自らの人生を誓った「7 Years」から3年。別名,パープル・アルバムとも呼ばれるルーカス・グラハム3枚目のアルバムは,前作以上に心に響く力作となっています。 愁いを帯びたピアノの調べに導かれて,思い詰めたような口調でたたみかけるように歌うルーカス。アルバムは,シリアスな「Not A Damn Thing Changed」で幕を開けます。ルーカスは,デンマークのコペンハーゲンにあるクリスチャニアという無政府主義の自治区で育ったそうですが,その特異な経緯から政府が度々問題視されてきた土地だそうで,住人たちは差別的扱いを受けることも多いそうです。そんな複雑な環境で育った同郷の友の死を通して,不条理を語るルーカス。サビでの悲痛なシャウトが胸に刺さります。 一転して,「Lullaby」は,優しく包み込むような慈愛に満ちたナンバー。我が子への愛おしい想いと,亡き父に我が子を見せたかったという切ない想いが交錯するナンバー。ストリングスを交えた温和なサウンドと伸びやかな歌声に心安らぎます。「You're Not The Only One (Redemption Song)」は,亡くした人々や現実への失望を語りつつも,何とか前を向いて生きていこうと決意するナンバー。穏やかで優しいサウンドの中に,人生の悲哀と温もりを感じさせる深みのある1曲です。サビのシャウトが圧巻です。 ここから妻への愛を綴った曲が数曲。「Love Someone」は,切々と刻まされるギター・フレーズ,ひたむきな歌声が胸に染みるバラード。妻と出会って初めて心を開くことができたと歌う,切ないまでに愛おしいナンバーです。「Stick Around」は,ピアノが奏でる穏やかで美しいメロディーをひたむきに歌い上げたバラード。いつかは終わりを迎えることを恐れながら,今を共に生きる,その切なさがひしひしと伝わってきます。 一方でAORを思わせるスタイリッシュな「Unhappy」は,夫婦間のコミュニケーションのすれ違いを歌った1曲。メロウなサウンドにタイトなビートで軽やかにステップを踏んでいきます。 「Everything That Isn't Me」と「Hold My Hand」は,自分の過去の過ちに対する後悔の念を歌い上げたナンバー。郷愁あふれるメロディーで「僕は良い兄弟でも息子でもなかった」と内省的に歌われる「Everything That Isn't Me」の切ない歌声,自分の罪深き人生を悔いる「Hold My Hand」での重苦しいサウンドとコーラス,どちらも心打たれます。 エンディングは自身の結婚のことを歌った「Say Yes (Church Ballad)」。ブルージーなギターなどを交え,穏やかに歌い始めるヴァースから,一転して,明るく盛り上がるドラマティックな展開のサビ。ハッピーでポジティブなサウンドに生きる力が湧いてくる,そんな素晴らしい1曲です。 たとえ,言葉がわからなくとも,その歌声だけで想いが伝わってくる・・・そんなひたむきで情感あふれるルーカスのヴォーカルと,シンプルでスッと心に染みこんでいくメロディー,そして深みのある歌詞。素直に感動できるアルバムです。
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